声のかすれと喉頭がん
風邪の時に声がかすれ、ひどい時には声が出なくなるといったことはよく経験します。この場合には声帯の炎症が原因になっていることが多いので、声を出さないようにしていると風邪症状の消失とともに改善していきます。また、保育園や学校の先生、歌手といった、声を酷使する職業の方の場合には、声帯に「ペンだこ」のような硬い部分ができていることがあります(声帯結節と言います)。
一方、声を酷使したわけでも、風邪もひいたわけでもないのに声が徐々にかすれてきた場合には、喉頭がんの可能性を考える必要があります。特に、長年タバコを吸ったことがある方の場合には注意が必要です。不思議なことに喉頭がんは圧倒的に男性に多いのですが、女性だからと言って可能性がないわけではありません。一般に初期の喉頭がんは放射線や小手術で「完治が期待できる癌」ですので、早期発見が重要です。
これらの診断を行うためには、内視鏡で声帯を細かく観察することが必要ですが、当院では患者様の負担を軽減するため、現在のところ一番細いといわれている直径2.6mmの電子スコープを鼻から挿入して(よく麻酔しますのでご安心ください)声帯の観察を行っています。声のかすれが気になる方は一度検査をされてはいかがでしょうか。
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